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「基源」
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科名:ウコギ科/属名:トチバニンジン属
和名:オタネニンジン・チョウセンニンジン/生薬名:高麗人参(コウライニンジン)/学名:Panax Ginseng.
ウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根 (白参、生干人参) 。またはこれを軽く湯通しして (御種人参、雲州仕立て) 乾燥したもの。人参はその調整法により「白参」と「紅参」に大別できる。もっとも雲州仕立てのような中間型もある。白参は直参、半曲参、曲参にわけられる。日本産、開城人参などは直参、豊基人参は半曲参、錦山人参は曲参で、そのほか生産地により数種の形の人参がある。紅参は細根をつけたまま蒸しあげ乾燥したもの (日本産紅参) と、細根を除去し圧力をかけて乾燥したもの (北鮮、韓国産紅参) とがある。
「出典」 神農本草経 上品
「別名」 朝鮮人参(チョウセンニンジン)、高麗参(コウライジン)、人蓡(ジンジン)(古名)
「性味」 甘、微苦/微温
「帰経」 肺、脾
「成分」
精油0.05% (β-エレメン、パナキシノール、パナキシドール、ヘプタデカー1-エンー46ジインー39ジオール、サポニン配糖体約4% (ギンセノシドなど) 、糖類約5%を含む。
「効能」
強壮、強心、強精、健胃、補精、抗疲労薬として広く賞用され、胃の衰弱による新陳代謝機能の低下に振興薬として用い、衰弱者の胃部停滞感、消化不良、嘔吐、胸痛、弛緩性下痢、食欲不振などに応用する。
「薬理作用」
大補元気、安神益智、健脾益気、生津。
滋補強操作用があるが機序は以下のようである。
神経系の興奮作用、下垂体-副腎皮質経の興奮作用、性機能の増強作用、強心作用・血糖の降下作用、高コレステロール血症発生抑制・血中コレステロール降下作用、抗利尿作用、抗アナフィラキシー作用。
このほか初歩的な観察によると、Ehrlich腹水ガンの生長を軽度に抑制し、実験的な胃潰瘍・心筋炎の治療と予防に一定の効果がある。
「応用」
1.消化吸収機能が悪いとき(脾胃気虚)に用いる。古人は経験的に、高麗人参の主作用は補脾健胃であるとしている。それゆえ、消化器系の疾患(肝炎・慢性胃炎・消化性潰瘍など)やその他の原因で生じた、上腹部がつかえて苦しい・食欲がない・下痢・嘔吐などの胃腸機能の虚弱症状には、高麗人参を主薬にして使用する。
2.貧血に用いる。補血薬だけではあまり効果がないときに、高麗人参などの補気薬を加えると効果がある。
3.神経衰弱に用いる。興奮型(心腎不交)の患者に対し、精神を安定し・動悸を静め・もうろう状態を回復する。
4.性機能衰弱に用いる。とくに勃起不全型と早漏型のインポテンツに対して効果がある。
「注意」
1.呼吸が粗い・発熱・脈は滑実有力・便秘・尿量が少ないなどの実熱症のときは、高麗人参を使用してはならない。具体的には、
①.高血圧の患者で頭痛・眩暈・のぼせ・目やに・怒りっぽいなどの肝陽上亢(肝腎の陰虚によって生じた病理現象のこと)の症状があるときは、高麗人参を多量に服用すると脳の充血をおこしやすく、ひどければ脳卒中を生じる。虚寒(陽虚によって生じた寒象のこと)の症状があるときは使用してもよいが、少量にすべきである。収縮期血圧が180mmHg以上のものは、どんな型の高血圧症でも服用すべきでない。
②.湿熱によって生じた浮腫は、高麗人参を服用するとひどくなることが多い(抗利尿作用があるため)。腎機能不全で尿量減少があるときにも使用しない方がよい。
③.実証の不眠・煩躁に用いると、睡眠障害がさらにひどくなるので使用すべきでない。
2.高麗人参を長期間服用すると、頭痛・不眠・動悸・血圧上昇などが生じることがあるが、服用を中止すると次第に消失する。
「同類生薬」
1.広東人参:アメリカニンジンの根を乾燥したもので、カナダ、北アメリカに産する。別名を「西洋参」「花旗参」などともいう、成分としてサポニン配糖体 5%、を含み、用途は人参と同様に用いる。
2.三七人参:サンシチニンジンの根を乾燥したもので、「田七人参」「田三七」などともいう。中国雲南省、広西壮族自治区およびベトナム北部に産する。成分としてサポニン配糖体3~8%を含み、その主成分はギンセノシドである。主に止血、消腫、鎮痛消炎薬として打ち身、捻挫、腫痛出血、吐血、鼻血、婦人の崩漏、産後の悪阻、腹痛など諸出血症状に用いる。また中国では、慢性肝炎、急性肝炎などの肝疾患に用いられている。
「処方例 」
十全大補湯、高麗人参湯、高麗人参養栄湯、温経湯、帰脾湯、呉茱萸湯、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、参蘇飲、清心蓮子飲、釣藤散、女神散、麦門冬湯、半夏瀉心湯、半夏白朮天麻湯、白虎加高麗人参湯、補中益気湯、六君子湯、紅参丹、通竅など。
「用法・用量」
煎剤、丸剤、散剤。一般に1~9グラム、多いときには30グラムまで使用する。
「産地」
韓国。
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