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「基源」
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科名:ミカン科/属名:ゴシュユ属
和名:ゴシュユ・ホンゴシュユ/生薬名:呉茱萸(ゴシュユ)/学名:Evodia rutaecarpa・Evodia officinalis.
ミカン科 Rutaceae のニセゴシュユ Evodia rutaecarpa BENTH.またはホンゴシュユ E. officinalis DODE の未成熟な果実を軽く湯通しして乾燥したもの。
「出典」 神農本草経 中品
「別名」呉萸(ゴユ)、淡呉萸(タンゴユ)、左力など
「性味」 辛、苦/熱。小毒
「帰経」 肝、腎、脾、胃、大腸
「成分」
アルカロイド (エポジアミン、ルテカルピン、エポカルピンなど) 、精油、苦味成分を含有する。
「効能」
健胃、鎮痛、利尿薬として、水毒の上衝による頭痛、嘔吐、胸満、虚寒による腹痛、冷え性、しもやけに用いる。
「薬理作用」
散寒止痛、疏肝下気、温中燥湿。
血圧上昇、呼吸促進、鎮痛、体温上昇、血流促進 (アルコール抽出分画) 陣痛促進、止血、中枢興奮。幻覚。アドレナリン作用。
「応用」
1.腹部の冷痛、頭痛および虚寒による下痢などに用いる。
呉茱萸は、温中散寒と疏肝の作用があり、止痛の作用がある。
腹部の冷痛には、乾姜、木香、烏薬、小茴香などを配合する。
中焦虚寒、肝気上逆による頭痛、嘔吐を治療するには、人参、乾姜などを配合する。例:呉茱萸湯。
脾腎虚寒による慢性下痢、五更泄瀉には、補骨脂、肉豆蔲、五味子を配合する。例:四神丸。
2.寒湿脚気疼痛に用いる。
本品は散寒燥湿、下降逆気の効能がある。
常に木瓜を配合する。例:蘇長史茱萸湯。
すなわちこの薬は悶欲死、腹脹による脚気入腹を治療する。
また、『証治準縄』の鶏鳴散は、脚気疼痛を治し、この両味薬が主薬である。
3.嘔吐、呑酸に用いる。
すなわちその疏肝下気の効能で嘔逆を止める。
疏肝下気の作用によって制嘔する。
胃寒によるものは、生姜、半夏を配合する。
肝鬱化火によるものには、黄連を主薬として、少量の呉茱萸を配合する。
すなわち、左金丸で、辛開苦降の効能がある。
このほか、呉茱萸の粉末を酢で混ぜ、手足の裏に塗布して上部の熱を下へ引き、口瘡と舌のびらんの治療に用いられる。
「注意」
1.呉茱萸の性味は辛熱燥烈で、気を損傷し、火を生じやすいから、長期間服用しない方がよい。
2.陰虚内熱証には禁忌。
「処方例 」
蘇長史茱萸湯、温経湯、呉茱萸湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、四神丸など。
「用法・用量」
内服:煎剤には1日1.5~5グラム、散剤、丸剤。外用:煎じ汁には適量を使用する。
「産地」
中国 (貴州省、広西壮族自治区など) 。
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