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「基源」
科名:バラ科/属名:サクラ属
和名:梅(ウメ)/生薬名:鳥梅(ウバイ)/学名:Prumus mume.
生薬の鳥梅(うばい)は、未熟な青梅をわらを燃やした煙をあてて薫製(くんせい)にしたもので、外面が真っ黒で、こわれやすく、ほぼ2~3センチの球形であらいしわがあって、強い酸味があります。「出典」神農本草経 中品
「別名」梅実(バイジツ)、熏梅(クンバイ)、桔梅肉(キツバイニク)、烏梅肉(ウバイニク)、大烏梅(タイウバイ)、烏梅墨など。
「性味」酸/平
「帰経」肝、脾、肺、腎、胃、大腸「成分」
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有機酸(コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸など)、オレアノール酸、セリルアルコール、βーシトシテロールを含有する。
「効能」
収斂、止瀉、解熱、鎮嘔、去痰、駆虫作用。
「薬理作用」
斂肺、渋腸、生津、安蛔。
「応用」
1.肺虚による慢性咳嗽に用いる。
『肘後方』では烏梅、罌粟殻、半夏、杏仁、阿膠などを配合した一服散は、肺虚による慢性咳嗽に効果がある。
2.慢性下痢に用いる。肉豆蔲、訶子、罌粟殻などを配合する。例:固腸丸。
『聖恵方』の烏梅丸は、黄連を配合して、赤痢に使用すると述べている。
3.虚熱による消渇に用いる。
烏梅の薬性である酸は生津することができる。
たとえば、『簡要済衆方』には、豆豉 を配合し煎服し、消渇、煩悶に使用すると述べられている。
虚熱による煩躁、口渇には、天花粉、麦門冬、葛根、人参などを配合する。例:玉泉丸。
4.回虫症の腹痛、嘔吐に用いる。
古人は、「回虫は酸に合うとおとなしくなり、烏梅の味は酸であるから、回虫による腹痛に効果がある。」としている。
たとえば『傷寒論』の烏梅丸は、細辛、花椒、乾姜、黄連などを配合して、前述の病症に使用する。
このほか、止血に用いる、内服して不正性器出血を治療する。
外用しては、瘡毒を消し、魚の目、たこなどを治療する作用がある。
「注意」
1.薬性は酸渋であるので、表証あるいは実熱積滞があるときに使用してはならない。
2.烏梅は酸味があるので、胃酸過多には用いない方がよい。
「処方例 」
烏梅丸、理中安蛔湯、連梅安蛔湯、固腸丸、一服散、玉泉丸など。
「用法・用量」
煎剤、散剤、丸剤。1日2~5グラム。
「産地」
中国。
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